パソコンの歴史（前編）

パーソナルコンピューター（PC）の歴史は、コンピュータ技術の発展と社会の変化を反映した、非常に興味深いストーリーです。ここでは、パーソナルコンピューターの発展を詳しく見ていき、その歴史的背景や技術的進歩について解説します。

1. 初期のコンピュータとコンセプト
パーソナルコンピューターの概念が登場する前、コンピュータは主に大型で高価な機械であり、大型の計算機センターや研究所で使用されていました。1940年代から1950年代にかけて、コンピュータは真空管やリレーを使用していましたが、これらの機械は非常に高価で、大型でした。

2. トランジスタと集積回路の登場
1950年代末から1960年代初頭にかけて、トランジスタと集積回路（IC）の登場がコンピュータ技術に革命をもたらしました。トランジスタは真空管に代わってコンピュータの基本的な構成要素となり、集積回路はコンピュータのサイズを大幅に縮小しました。これにより、コンピュータは徐々に小型化し、より広範囲に普及する基盤が整いました。

3. 初期のパーソナルコンピュータ
1970年代初頭には、家庭用やオフィス用のパーソナルコンピュータのアイデアが現実のものとなりました。これらの初期のコンピュータは、一般の人々が個人で使用できるサイズと価格で設計されていました。以下は、この時期の代表的なコンピュータです。

3.1 Altair 8800
1975年、エド・ロバーツによって設立されたMITS社がリリースしたAltair 8800は、商業的に成功した最初のパーソナルコンピュータとされることが多いです。Altair 8800は、Intel 8080マイクロプロセッサを搭載し、キット形式で販売されました。このコンピュータの登場は、個人コンピュータのブームの先駆けとなりました。

3.2 Apple II
1977年、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックによって設立されたApple社がApple IIを発表しました。Apple IIは、カラーディスプレイ、拡張性、ユーザーフレンドリーなインターフェースを備えており、非常に人気がありました。このコンピュータの成功により、Appleはパーソナルコンピュータ市場でのリーダーシップを確立しました。

4. パーソナルコンピュータの進化
1980年代には、パーソナルコンピュータの進化が加速し、多くの新しい技術が導入されました。この時期は、パーソナルコンピュータが一般家庭やオフィスに普及する重要な時期でした。

4.1 IBM PCの登場
1981年、IBMは自社初のパーソナルコンピュータ、IBM PC（モデル5150）を発表しました。IBM PCは、Intel 8088プロセッサを搭載し、オペレーティングシステムにはMS-DOSを使用しました。IBM PCの登場は、パーソナルコンピュータの標準を確立し、互換機の普及を促進しました。

4.2 Macintoshの登場
1984年、Appleは初代Macintoshを発表しました。Macintoshは、グラフィカルユーザーインターフェース（GUI）を採用し、直感的な操作が可能でした。これにより、コンピュータの使い方が大きく変わり、多くのユーザーがコンピュータをより簡単に操作できるようになりました。

後編に続く。