インターネットの歴史（後編）

前編からの続きです。

4. インターネットの商業化と社会的変革
1990年代後半には、インターネットの商業化が進み、企業や一般ユーザーによる利用が広がりました。特に、1995年には米国政府が商業利用のためのインターネットの開放を決定し、これにより企業が自由にインターネットを利用できるようになりました。この決定により、多くの企業がオンラインビジネスを展開し、インターネット関連の新たなビジネスモデルが生まれました。

この時期の代表的な出来事には、AmazonやeBayといったオンラインショッピングサイトの登場があります。これらのサイトは、消費者と販売者を直接結びつけることで、従来の商取引の方法を大きく変えました。また、SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）の登場もこの時期で、2004年にはFacebookが創設され、ソーシャルメディアの時代が始まりました。

5. モバイルインターネットとクラウドコンピューティングの時代
2000年代に入ると、インターネットはさらに進化し、モバイルインターネットの普及が進みました。スマートフォンの登場により、ユーザーはどこでもインターネットにアクセスできるようになり、情報の取得やコミュニケーションの方法が大きく変わりました。iPhoneの登場（2007年）とその後のアンドロイド端末の普及は、モバイルインターネットの急速な拡大に寄与しました。

さらに、クラウドコンピューティングの普及もインターネットの重要な発展の一つです。クラウドコンピューティングは、データやアプリケーションをインターネット上のサーバーで管理し、ユーザーがそれにアクセスできるようにする技術です。これにより、ユーザーはローカルにデータを保存する必要がなくなり、データのバックアップやアクセスが容易になりました。Amazon Web Services（AWS）やMicrosoft Azureといったクラウドサービスの提供は、企業のIT戦略に大きな影響を与えました。

6. 現代のインターネットと未来
現在、インターネットは我々の生活の不可欠な部分となっています。情報の共有、コミュニケーション、エンターテインメント、ビジネスなど、あらゆる分野でインターネットは重要な役割を果たしています。IoT（Internet of Things）や5G技術の進展により、さらに多くのデバイスやサービスがインターネットに接続され、より一層の情報化社会が実現しています。

今後のインターネットの発展には、セキュリティとプライバシーの問題、AI（人工知能）の進化、量子コンピュータの登場など、さまざまな課題と可能性が存在します。これらの技術革新は、インターネットの使い方や社会への影響を大きく変えるでしょう。

まとめ
インターネットの歴史は、技術的な革新と社会的な変化が交錯する動的なものであり、その進化の過程で多くの重要な出来事がありました。1960年代のARPANETの誕生から始まり、TCP/IPの導入、WWWの発展、商業化、モバイル化、クラウドコンピューティングに至るまで、インターネットは着実に進化を続けています。未来に向けては、さらなる技術革新とともに、より良いインターネット社会の構築が期待されます。