インターネットエクスプローラーの歴史（後編）

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前編からの続きです。

5. ブラウザ戦争の再燃（2004年以降）
2004年以降、Mozilla Firefoxの登場により、再びブラウザ戦争が勃発しました。Firefoxはオープンソースであり、軽快な動作やカスタマイズ性に優れていたため、多くのユーザーに受け入れられました。また、Firefoxはウェブ標準に対する対応が早く、特にCSSやJavaScriptの実装において優位性を持ちました。

IEも負けじと新しいバージョンをリリースし、2006年にIE7を発表しました。このバージョンでは、タブブラウジングの導入や、フィッシング対策の強化が行われました。しかし、IE7のリリースにもかかわらず、Firefoxのシェアは増加し続け、ブラウザ市場の競争が一層激化しました。

6. IE8とその限界（2009年）
2009年にリリースされたIE8は、ウェブ標準のさらなるサポートを目指しましたが、依然としてパフォーマンスやセキュリティ面での批判が続きました。この頃、Google Chromeも登場し、特にその高速な動作が注目され、ブラウザ市場のパラダイムが変わりつつありました。

IE8は、互換表示機能を搭載し、古いウェブサイトを表示する際の問題を軽減しましたが、ユーザーの期待には応えられず、シェアは徐々に減少していきました。この時期、IEは「遅れてきた」ブラウザとしての印象を持たれるようになり、開発者からの支持も薄れていきました。

7. IEの衰退と代替ブラウザの台頭（2010年代）
2011年にはIE9がリリースされ、HTML5やCSS3のサポートが強化されましたが、もはや市場でのシェアを回復することはできませんでした。特に、モバイルデバイスの普及とともに、SafariやChromeがそのシェアを奪っていきました。

IE10（2012年）やIE11（2013年）はリリースされましたが、もはや主流のブラウザとは言えない状況でした。特にIE11のリリース時には、すでにChromeやFirefoxが広く普及しており、ユーザーの関心は新しいブラウザに向いていました。

8. Edgeへの移行（2015年）
2015年、Microsoftは新しいブラウザ「Microsoft Edge」を発表しました。Edgeは、従来のIEとは異なり、Chromiumベースで開発され、モダンなウェブ技術に対応したブラウザとして位置づけられました。これにより、IEは正式にサポートを終了する方向へ進みました。

IEは、2022年6月15日にサポートが終了し、その歴史に幕を下ろしました。Microsoftは、Edgeを中心にしたエコシステムへの移行を進め、ユーザーに対してより快適なブラウジング体験を提供することを目指しています。

9. 結論
インターネットエクスプローラーは、ウェブブラウザの歴史において重要な役割を果たしました。初期のインターネットの普及を支え、多くのユーザーにアクセスを提供した一方で、時代の変化に対応できずに衰退していきました。競合の登場や技術の進化により、IEは次第に時代遅れとなり、最終的には新しいブラウザに取って代わられました。

IEの歴史は、技術の進化と市場競争の変遷を示すものであり、今後のブラウザ開発やインターネットの発展にも大きな影響を与える教訓となるでしょう。ブラウザ市場は常に変化しており、今後も新しい技術や競合が登場することが期待されます。